宇多丸師匠ごめんなさい「アポカリプト」



敬愛するうーたまるー師匠の激お勧め映画ということで期待はせずにみたのだが(何かにつけてアメリカンなのだもの)期待しなかったのが幸いしたのか、結果的に言えば非常に興味深い映画だった。師匠、疑ってごめんなさい。

まず、舞台設定や時代など、一切の説明がない。本当に全くない。

台詞が英語じゃない。スペインの征服前なので、スペイン語ですらありません。全く判りません。マリー・アントワネットが英語を喋っていたりするのを聞いて興ざめすることもあるので、これも非常に良かったと思う点だ。

それから、一切有名な俳優が出てこない。俳優に気を取られて映画に入り込めないことも良くあるけども(長く続いたテレビドラマの俳優なんて、その役のイメージがつきすぎて仕事がなかなかないそうだ)そんな心配は一切無用。

描写の生々しさが生きることの生々しさを呼び起こす。お肉もきれいにパック詰めされて売っている現代で暮らしている私たちの心のやわらかいところを刺激されるので、この不快さに耐えられない人も多いんじゃないかと思う(単純にバイオレントなシーンに耐えられない人も多そう。。)。

それを覚悟して観る人にはお勧め。普段何気なく看過しているところが、がっつんがっつん刺激されますから。

史実的検証はかなりいい加減なようで、そういう点ではいろんなところで批判されてますが、あえてそれを抜きにして考えると刺激の大きい映画だった。

メル・ギブソン、壊れてますな。

ここからネタバレ。



あまりの説明のなさに舞台設定を完全に勘違いしてました。いわゆるアボリジニの人たちとは随分顔かたちがちがうなーと思いつつも、オーストラリアとかニュージーランドのの先住民族の話だよねーなんて相方と話していたのに(相方も全くつっこまず)。。

ネットでアポカリプトの批評を読むまで、マヤ文明末期を舞台にした映画だとは気づきませんでした。自分の観察力の低さに脱力。。。そういや、オーストラリアにもニュージーランドにもジャガーなんていないよね。

ピラミッドはまったくマヤ文明のものだったけど、マヤ文明は心臓をえぐり出したり、斬首をしたり、それを串刺しにしたりはしてなかったらしいですね!それはアステカ文明の間違いですね!(負け惜しみ)


興味を持った人は、是非観てみて下さい。