空気清浄機を貰った 3

(前回のお話)

    • -

エレベーターはゆっくり上昇し、捨てる神あれば拾う神あるとはこのことか、私のプチ善行は天に届いていたの?おお、神よ♪などと妄想しているうちに、5階に止まった。喜びに浸りきっていたその時の私は、ホールが真っ暗な事をあまりなんとも思っていなかった。

件のナイス青年に教えられたとおり、エレベータの左側には「管理人室」と書かれたドアがある。その脇にあるインターホンを押す。

ピンポーン、ピンポーン。

二回鳴る。

その後沈黙。。。。確かオーナーが変わるとかなんとか云っていたのを思い出す。でも楽観的な私は、管理人さんはトイレに入っているだけかもしれないので、少し時間を置くことにした。

ピンポーン、ピンポーン。

もう一度鳴らす。

その後また沈黙。。。。いない、頼みの綱の管理人さんがいない。

その事実に愕然とし、諦めきれずしばらくその場に佇んでいたが、いないものは仕方が無いのでエレベータのボタンを押す。友人はすぐそこにいるのに、家に帰らねばならない。。。

エレベータが近付いてきて、真っ暗なホールにエレベータの光が洩れ、打ちひしがれる私の目にもその光が映る。やけにまぶしい。もしこの場に友人がいたら、エレベータの光に映し出された私を見たら、何も言わずにそっとハンケチーフを差し出してくれたかもしれないね。

(続く)