モーターサイクル・ダイアリーズ


日本ではなぜか顔だけ有名なチェ・ゲバラの事情が判る映画。主演のガエル・ガルシア・ベルナルの生真面目な感じがなかなか良い。

南米の研究をしている知り合いの先生に、スペイン語の講義をしてもらっていた事を思い出す(といっても、スペイン語を実際に習っていたのは私の友人で、私は側でその様子を聞いていただけだ)。

私は先に本を読んだからか、ちょっと物足りない感があった。

行く先々での人々との交流の描かれ方が、時間的な制約なのかわざとなのかは判らないが、どうも浅い。彼らに対しての感情が、言葉にされているほどには伝わってこない。

エルネスト青年が「チェ・ゲバラ」になるきっかけとなるほどのインパクトは、この映画からは感じられなかった。ただ本を読んでもそれは感じられなかったので、どちらかというと映画がそちらに引き付け過ぎなのではないかと思う。

ただ、旅行への思いを非常に掻き立てる映画である。前から南米には興味があったが、この映画を観てその思いが更に強くなった。

それに劇中で使われた音楽が最高!

あのダンスシーンを観る事においては、非常に価値のある映画だと思う。